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大工さんの職場。

バタバタしており、久しぶりにになってしまいました。

今日は、曇り。
底冷えがしそうです・・・。
年末に向けて体調を崩さないようにしたいですね。


さて、広島市安佐南区で進行中の
「MI7」
ですが、上棟は12月中旬頃を予定しております。

今週にも、上棟の日がほぼ決まると思いますので、
またお知らせいたします!

MI7ではウッドステーションの大型パネルを採用して、
躯体を組みます。
屋根断熱の関係により、今回屋根パネルはありません。


充填断熱 + 外壁に付加断熱 も採用した、



Ua値 = 0.29W/㎡K


の、超高気密高断熱仕様です。


隅々まできちんと断熱材が施工できること、
後々リフォームが発生した場合に脱着が容易であること、
無機質材であること = シロアリ被害に合いにくい


などから、高性能グラスウール(MAG)を断熱材として選択しました。


私が最も大事だと考えているのは、
「快適性」・・・温度環境、使い勝手、です。
特に、温度環境が快適になれば省エネは自然とついてくるものです。


MI7 の詳細はまた別途ご紹させて頂きたいと思います。



今回、ウッドステーションの大型パネルの採用にあたり、
いろいろな方にお話を伺う機会が持てました。

有難いことです!

パネルにメリットを見出される方、
様々に嫌悪感を持つ方、

皆さんお考えはいろいろあってしかりです。


そんな中、こんなお話がありました。




「工場(=パネル化するための作業場)が



大工の仕事場になるのも



いいのではないか。」



高性能住宅の現場は過酷です。

私が採用するトリプルガラス樹脂サッシもそうですが、重量化する一方のサッシ
精度が命の断熱気密施工も根気と丁寧さが求められます。

建て方(躯体を立ち上げる作業)には、
広い空間実現のための重く大きな梁、
高い耐震性能を可能にするため密度が高く重い耐力壁

重いものを運び、下手をすると命の危険も伴う
つまり、過酷な現場なわけですよ。


自然と、体力に勝る年齢が若い大工さんが多くなります。


修業時代から現場を重ねて技を磨き、手練れになった時、
仕事場は過酷になっていて担えなくなっていた・・・


では、あまりにもったいないし、残念です。




大工さんの仕事場って


現場だけ?


大工さんの職場。_e0390497_09452957.jpg

佐伯広域森林組合さんによる、大型パネルの建て方の現場。(大分市にて)
”建て方”は若い大工さんがほとんどです。


木造の現場では、
決まった大工さんが木工事と言われる、
土台敷き~建て方(上棟)~造作の一連の作業を全て担うのがほとんどです。

が、実は、
ビルの現場では
(素材が違うということもありますけど)、
一貫して担うわけでなく細かく分業されているのが当たり前。


その方は大型パネルの作業場を作り、
そこで年齢を重ねた熟練の大工さんに大型パネルを組んでもらいたい、
と。


上下左右に稼働する作業台があって、
しゃがんだり脚立に乗ったり無理な姿勢での作業もほとんどない、
危険な足場に上る必要もない、
重いサッシもも持ち上げなくていい、
屋根があって天候に左右されず、
冷暖房も完備、
ほぼ計画通り正確に作業が進行できる”現場”。


それが、大型パネル工場 = 作業場 です。


厳しい検査を経て完成したパネルは、
現場に運ばれ、体力がある人たち(=大工さんではなくなるかもしれない)によって組まれます。


その後、造作作業が始まると「大工さん」でなければ出来ない事がスタート。


モノを作ることには、正確性が要求されます。


場所はどこであろうと、
そこがどんな状況であろうと
品質確保の方が優先されねばなりません。


過酷な状況を乗り越えて品質確保を成し遂げることに
”やりがい”
を見出すことは求めたくありません。
(見出すなら、過酷さに見合う高価な報酬が提供できるのが前提でしょう)


過酷化された現場に入れなくなり
せっかくの技術を活かす場がなくなり
引退を余儀なくされた大工さんもいるかもしれない。


積み重ねてきた技術を活かせる場で活かしてもらえれば
年を重ねた大工さんも整った場で仕事ができるし、
安定した場では品質も確保できるし、
お互いにメリットがあるわけです。




仕事をするのに


場所はどこだっていいんですよ。



ようは、求める品質のものが確かに仕上がり
それを担う人がふさわしい人であればいいのです。


現場はゴミが激減し、
天候に左右されず安定した場でより確かな品質のものが作られ、
過酷な仕事は場を変えて行われることで、
人(大工さん)が継続して仕事が出来るようになるかもしれない。


しかも、


しかも、
完成した目に見えるものは
何も変わっていないわけですしね。


いや、分業化し、
熟練の大工さんに参加してもらうことで、
より精度の高い”いいもの”に仕上がる可能性が高い、
ように思えます。


パネル化(柱間に充填するタイプでなく壁面全体を組むパネル化)は
大工の仕事を奪うのでは?


という懸念をお持ちの業界の方もいらっしゃいます。


大工の仕事を奪うのは、
パネル化ではなく、
過酷な現場こそがその正体だと、私は思うのです。


この方のように、
実際には、
パネル = 場所を変えて仕事が出来ること
によって、大工さんの仕事が出来る期間を延ばすことが可能です。

また、過酷な仕事から解放されることで
身体的負担も軽くなり、
ひとつの現場に携わる期間も短くなり、次に早く行くことが出来ます。
つまり、仕事の回転率がよくなり収入増も望める可能性があります。


報酬のためにやるのが紛れもない仕事の一面ですからね。


パネル化は大工さんの抵抗勢力どころか、
延命の救世主なのかも?しれません。





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by enne009 | 2018-11-12 09:54 | 雑感 | Comments(0)

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