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お客様のために、って何だろう?(その4)

ご無沙汰しております。

初冬にしては暖かい日が多かったんですけど、
さすがに昨日は冷え込みましたね。

いよいよ今日から12月、東広島市は氷点下の朝が続きそうです。




更新が開いてしまって恐縮です。

連載の続きです。


何年前ですかね?
約10年近く前になると思いますが、

知り合いの相談に乗ってあげて欲しい、
とのことでお客様から連絡を頂いて伺ったのは、

某超大手ハウスメーカーの真新しいお住まいでした。


最初に驚いたのは、
玄関からして雑然としており


室内は、荷物が散乱し、”破綻している”と言っていい状態でしたね。


ご相談の内容は、太陽光発電を設置したいとのことでしたが
その前に暮らしを立て直すのが先決かな?・・・
と思ったほどです。


一応、来客(私たちのこと)があるのに、この状態ってことは
もうそこまで気が回らなかったのでしょう。


よく、お客様のお住まいに伺うと、


「あ!片付いてないのですみません!」

とか、

「時間がなくて・・・」

などなど、
”やらなくちゃいけないのはわかってるんですよ”
的なニュアンスを伝えて下さる方が多い中、


レアケースだったかもしれません。


むろん、お子様も小さくお仕事もされているとのことでしたから
その辺を加味しても、
この状態は、日々の暮らしがスムーズに行ってない証に見えました。


収納も十分に設定されていましたが、
ざっと拝見したところ、



「動線がよくない」



のではないかな?とアタリを付けました。


お客様のために、って何だろう?(その4)_e0390497_10024015.jpg

車を降りたらキッチンへ。
忙しい毎日には、最短距離が便利です。



詳細は省きますが、使えない位置に収納が設置されていました。


お客様のために、って何だろう?(その4)_e0390497_10023857.jpg

皆が通る通路上でしかも見えない場所に収納。(扉はありません)



忙しいあまり、起きやすいところに荷物を置いてしまうのは
誰でもあること。



結局、通り道(動線上)に荷物を置くんですよね。



たったの一歩であろうが、
人は”後戻りをしない”わけで、
特にルーティンに追われる毎日では、それが顕著です。



超大手ハウスメーカーの設計士の力不足だったのか、
お客様がご自分でこうしたいと望んだ結果なのか、



両方なのか?



一度散乱してしまうと、イチから立て直すのはなかなかのことになります。



思い切って断捨離をしたとしても、
もしかすると、キレイを継続できない可能性もあります。



美しく暮らしたい = ストレスなく暮らしたい



の実現には
家の在りようが全てではありませんが、
私は大いに関係があると思っています。



何度もここで書いていますけど、
収納があればいいってもんでもなく、
どこにどの程度の収納が適切か、
ですね。



シンプルに動ける動線も重要です。



多くの建売がそうですが、
売れそうな条件をリサーチして形にしてあります。



しかし、要望とリアルな暮らしが本当にいい結果として
リンクしているかは分かりません。



お建て替えに関わらせて頂くたびに、
要望の実現と、それを実現してあげた設計士、工務店(ハウスメーカー)の努力?は
結果、必ずしもいい暮らしとなっているばかりではないのです。



「夢」



を実現します!
出来ないとは言いません!



などの言葉が会社のHPに躍り、
いうことを聞いてくれそうな会社を選択する。



または、世間の評価(大企業だからとか)で決める。



いずれも間違っているわけではありませんが、
どうなんでしょうか。



本当に欲しいのは、
自分の要望を実現することである



と言い切ってどうであれ結果を受け入れる覚悟?がある人は別として、
イエスマンを望むことは、
延々と繰り返されるなんでもない日常において
リスクがあることを頭の片隅に置いていた方がいいかもしれません。



ありふれた暮らしに潜むのは、
いろんな積み重ねであり、
それが一番やっかいなんです。





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by enne009 | 2019-12-01 10:07 | 雑感 | Comments(0)

身軽に暮らせる家を提案します。


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