ご無沙汰しております!
更新が滞ってしまい、失礼致しました。
このところ雨天曇天が続いてお天気が不安定ですが、
皆様、お変わりないでしょうか。
最近の世界的な話題として、新型肺炎がありますね。
これ以上広がらないことを切に願うばかりですが、
手洗い、スマホ画面(つまり手が触る部分)の除菌など
気休め程度でもやろうと思います。
皆様もどうぞご注意くださいませ。
さて、豊かさって何?の最終回です。
このところ、お天気が不安定ですね。
と、書きましたが、
そう、お天気って不安定なんですね。
この日は必ず晴れてほしい!
と心から願っても、思い通りにはならない。
木造建築業界の方なら必ずお天気に泣かされた経験もあり、
思い当たることでしょう・・・。
建築と天気、自然というキーワードで、
パッシブデザイン
という設計手法があります。
このブログでも何度も取り上げているので、ご承知の方も多いと思いますが
自然の営みや自然エネルギーを建築に取り入れる”受け身の”設計手法です。
窓から差し込む明るくあたたかな日差し、
部屋を通り抜ける涼やかで清涼な風、
照明器具は太陽に近づけるように設計されているといわれており
これら、自然のエネルギーを好まない人はいないでしょう。
土地の購入の際、日当たりの良さが必須条件であることからも分かります。
日射や風を取り入れるための窓の配置計画、
うざったい雨や夏の強烈な日差しを防ぐためのひさしの設置などが
代表的な建築手法です。
もともと自然に存在するものは”無料”ということもあって
省エネにもなりますよね。
パッシブデザインを活かすにも高性能躯体が必要なのですが、
そこはこの度は割愛します。
パッシブデザイン = 自然の営みを設計に取り入れる
至って基本です。
しかし、自然は気まぐれ、
パッシブデザインは基本であっても、それですべてをカバーできるのではなく
利用できる範囲でやりましょう、ですね。
軌道が確定している太陽ですら曇天雨天には利用が出来なくなりますし、
特に風は去年こっちから吹いたから今年も、とは限らないわけで、
あてにするのが難しいわけです。
今頃のような日差しもなく、曇天雨天続き、気温も上がらず・・・
となると、暖房における自然エネルギーは無力、設備に頼るしかありません。
(薄い日差しがあると、太陽光発電は多少発電しますけど・・・)
いい時にしっかり利用できるようにしておこう!
が、パッシブデザインの在り方かな、と私は思います。
あてにならないもの=自然を最優先にするのではなく、
基本は外気からの影響が少なくなる躯体性能、
100%カバーできる設備設計。
が家には必須だと思います。
多分、”自然”はイメージとしての豊かの象徴でしょう。
リフレッシュしたいとき、自然の中へ行きたくなることからも分かります。
しかし、思い通りにならず、厳しいものが自然であることもシビアな事実。
特に、誰もが好きな太陽(光・熱)を存分に利用し楽しむためには
大きな窓(とにかくできるだけ大きく!)
が欲しいところですが、
ご存じの通り窓は熱的に最大の弱点でもあるわけですから
最重要強化ポイントになります。
人が自然から得られるものは大きい。
ただし、思い通りに受け取れることはない。
真冬のクソ寒い時に、日差しもなく冷え切った日が続くと
計画の甘さを悔やむことになるかもしれません。
自然の恵みは有難く、人を助けてくれ、
豊かな気持ちにもしてくれますが、
最も欲しい時にちゃんと受け取れ使えるものではないことを前提に
なくてもOKを基本に設計しておくことで、
より豊かに享受できるはずです。
事実はシビアなもの。
豊かなイメージをリアルな暮らしに落とし込み
ちゃんと享受するには
設計側のシビアな目が必要なんです。